茶の湯歳時記

6月
今月の一景
シランは、とても生命力旺盛、庭のいたるところに細長いしなやかな葉を覗かせますが、根が浅く庭掃除のときに熊手にひっかかりとってもじゃまになります。そのときにはムッとくるのですが、今のシーズン、このように可憐な花をいっぱいにみせるのです。初めは白い花とこの赤い花が同じくらいあったのですが、土の性質か、いまでは全部赤になってしまったのが、ちょっと残念です。
花入れは自作の信楽を使いました。
今月の行事
梅雨の茶
水無月、梅雨のまっただなかにちょっと皮肉ですが、これは旧暦との時期的なずれなのでしょうか。いずれにしてもこの季節はあんまりお天気に恵まれません。でもそれが自然ならそれを趣として楽しむのがお茶の真骨頂ですね。この季節では雨を味方に草庵の茶事の雰囲気を大切にするのはいあかがでしょう。そんな時この鉢には「五雨十風」の文字が刻んであります。残念ながら正確な意味が解らないのですが、晴れの日ばかりではなく、5日の雨、10日の風、そんな繰り返しの中で自然の豊かさがうまれる、そんな感じではないでしょうか。雨をついておいで頂いたお客様を、こんな鉢をつくばいとして使って、お迎えするのもまたこの季節の楽しみではありませんか。
今月のお道具 路地笠 お茶事の当日、雨や雪などお天気に恵まれない場合、寄付からお席までの路地をこの笠でしのいでいくのも、また一興ということです。
信楽水指 6月ともなると蒸し暑さを感じる日も多くなり、お茶道具も涼しさをもとめることがおおくなります。染付のように見るからに涼しげなお道具もいいのですが、信楽や備前のような焼き締め、自然ゆの水指にたっぷり水をふくませて、濡れ肌を楽しむのもいいのではないでしょうか。こういった焼き締めの焼き物は肌を通して水が蒸発し、気化熱を奪うので、実際に中の水を冷やすという効果もあります。ですから、ビールのジョッキなどには最高ですね。
2003年
 お稽古模様

90歳になる母が整えるお稽古の設えを記録してみようかと思います。
茶室床 お軸(良寛の歌裂)
近頃はお茶会もできないので、めったに登場しませんが、久々に出してみました。
模したものでしょうが渋くて明るい、良寛さんの雰囲気が味わえます。
お軸にあわせて、普段使いのものではなく設えました。茶碗は奥田英山先生の片身代わり。 広間床
古田紹欽先生の
「山高きが故に貴からず」
今月は豪華です。

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