茶の湯歳時記

8月
今月の一景
  この季節のお茶花というと、立秋をそろそろ意識して萩や女郎花などがあげられますが、夏の名残の芙蓉もいいものではないでしょうか。ちょっと地味な秋に向けての花から見るとこの芙蓉は涼やかでいながら、堂々と夏の太陽に向かって咲いているようです。
今月の行事 八朔 八朔とは旧暦の8月1日のことです。昔この日、稲の初穂を天皇に献上し豊作を祈願しました。その後庶民の間でもこの時に贈り物をする風習が始まり、今のお中元に変化していったようです。お茶のお家元では、8月1日には八朔の行事として職家の方々が正装で三千家にご挨拶回りをいたします。この日は夏のお見舞いやお中元の挨拶をされたあと、秋のお茶事やそれに向けての準備の打ち合わせなどが行われるそうです。
今月のお道具 夏の暑い時期、この時こそが秋のお茶事のシーズンに向けて灰の準備のときとなります。生灰を水に何度も晒し灰汁をぬきます。また古い灰は篩にかけて余分なものを取り除きます。その灰に番茶や、丁子を加えてまぜそれを天日で乾かします。これを繰り返してしっとりした美しい色合いの灰が出来上がります。これを桶にいれて保存し必要になるたびに掻きとって篩にかけて使用します。風炉の灰は、炉で何年も繰り返し使用して練れた灰を乳鉢でよくすり粒子を細かくしたものを使うのがよいそうです。美しい灰形はこのような隠れた手入れの結果、できあがるものなのですね。                                                                   
平水指・葉蓋 秋も近いといいながらも、やはり盛夏というのがふさわしいこのシーズンでは、平水指が涼しさを呼びます。高さは低めで、口の広い平水指では水面が大きく見えることが、お客様へのごちそうです。また裏千家では水指の蓋に八手のような大振りの葉を使う葉蓋という趣向も採られます。

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