【釉薬による装飾】
やきものを彩る植物や鳥などの文様は、どのような方法で描かれたのだろうか?釉薬を掛ける前にあらかじめ下絵具と筆で文様を描き、その上から透明に発色する高火度釉を掛けて焼成するのである。
下絵具には、つぎのような種類がある。
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鉄を主成分とするもの
鉄分(酸化第2鉄。ベンガラと呼ばれる)を多く含み、黒や褐色に発色する。鉄砂、黒花、あるいは鉄絵、錆絵と呼ばれる。
- 酸化コバルトを主成分とするもの
呉須と呼ばれる、酸化コバルト顔料。青く発色する。染付、青花とも呼ばれる。中国大陸においては、10世紀に始まり、日本においては伊万里焼に使用されたのが最初である。
- 銅化合物を主成分とするもの
紅色に発色する。そのことから釉裏紅と呼ばれた。中国・元時代に始まり、明・清時代に流行した。
以上のような下絵具で自由に線を引き、文様を描き、焼成したそのあと、さらにその文様の上に着彩する方法がある。赤、緑、黄、紫、ひいては金色まで、鮮やかな色彩をやきものに載せるこの方法は、下絵をつけ、透明釉を掛け、高火度で焼成した焼物に、低火度釉(この場合上絵具と呼ぶ)を用いて彩色し、絵付窯と呼ばれる小型の窯でもう一度焼くというものである。こうして極彩色にいろどる方法を上絵付け、製品を色絵磁器とよぶ。ここではいくつかの色絵磁器の種類を紹介しておこう。
- 豆彩
コバルトの細い線で下絵付けした上に、淡緑がひときわ鮮やかな上絵付けをした製品。この淡緑の色が、青豆の芽に似ていることから豆彩の名がある。日本においては、鍋島藩窯がこの技法により多くの名品を残した。
- 金彩
金付、金焼付ともいわれる。金泥、金箔、水金を用いて彩色する。施釉して焼成した器に上絵具により彩色し、焼成したあとに、金彩をおこない、さらにもう一度低火度の窯に入れる。この技法が用いられた色絵磁器は、染錦、金襴手などと呼ばれる。中でも金襴手は、中国明時代の景徳鎮民窯で生産された華麗な装飾様式である。日本では17世紀後半に有田において、金襴手の器が生産されるようになり、国内、国外で人気を博した。
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