やきものはこうしてできる <IMG src="images/no.gif" alt="black" height="16" width="16">



・素材について ・形をつくる ・うわぐすりのいろいろ
・釉薬による装飾 ・彫刻的技法 ・焔とやきものの関係
【うわぐすり(釉薬)のいろいろ】

★釉薬とは?

 焼物の表面を薄く覆っている、ガラス状の薄い皮膜のこと。釉薬は「うわぐすり」と呼ばれていて、器のほぼ全面に掛けるものである。釉薬の役割の一つは、焼物の吸水性をなくすこと。釉薬の成分は基本的にガラス 質なので、陶土で作られたやきものの表面をきっちり釉薬で覆うことによって、中に水を入れても外に漏らない器が出来上がる。そしてもう一つの釉薬の役割とは、器を美しく飾るというところにある。釉薬によって生み出された青や黒、あるいは透明な輝きが器をつややかに見せてくれる。

★釉薬のいろいろ

  1. 自然釉

  2.  窯を焚く時、燃料として使われていた薪の灰が焼物にふりかかり、それが溶けて、偶発的に釉薬のはたらきをしたもの。須恵器や、中世の常滑・信楽・丹波などの焼き締め陶(本来は釉薬を使わず、高い温度で固く焼き上げられる陶器)などに時折見られる。「景色」として鑑賞のポイントともなる。

  3. 緑釉

  4.  酸化銅を含む釉薬。焼成時に、空気中の酸素と反応し、緑色に発色する。低火土釉(800度〜900度の比較的低い温度で融ける釉薬)と高火度釉(1100度以上の高い温度で融ける釉薬)の二種類がある。低火度釉は古代の三彩・緑釉に、高火度釉は織部などに用いられた。

  5. 灰釉

  6.    木灰(植物灰)を原料とした釉薬。高火度釉としては最も一般的で歴史も古い。現在でも多くの窯業地で使用されている。灰の成分によって、透明感のある緑から黄色、白濁色まで幅広い表現が可能である。例えば、灰釉に含まれるわずかな鉄分が焼成時に酸化すると、黄色を呈し(黄釉)、稲藁を焼いてつくった灰釉を用いると、そのなかの桂酸分が焼成時に反応して、青みのある白濁色を呈す(藁灰釉)。

  7. 鉄釉

  8.  鉄分を含む釉薬。釉薬中の鉄分の割合と焼成時の調整により、茶色から黒までの幅のある色の表現が可能である。天目釉・柿釉・飴釉などはみな鉄釉である。天目茶碗など、茶陶に好んで用いられた。

  9. 長石釉

  10.  長石を主成分とする釉薬。乳白色を呈す。代表的な例に志野釉がある。

  11. 瑠璃釉

  12.  酸化コバルトを長石釉に混ぜたもの。高火度釉で、鮮やかで艶のある青に発色する。日本における使用開始は遅く、伊万里焼に用いられたのが最初である。

  13. 白磁

  14.  磁器の一種。カオリンに長石・桂石を混ぜて極めて磁土を合成し、さらにカオリン等で作られた透明の釉を掛けて高火度で焼成する。 透明感のある純白から、微かに青みや黄みを帯びたものもある。青みを帯びたものは、青白磁あるいは影青(いんちん)と呼ばれることもある。歴史は極めて古く、中国大陸においては6世紀に、朝鮮半島においては10〜11世紀に生産が始まった。日本では、磁器の焼成が可能となった17世紀の伊万里で白磁の生産が始められた。

  15. 青磁

  16.  磁器の一種。釉薬の成分は、灰釉に近い。胎土と釉薬に含まれた鉄分が焼成時に反応し、青色を呈す。焼成時の加減によって、青緑色から黄緑・茶褐色までの幅広い色を表現する。白磁よりもさらにその歴史は古く、中国大陸においては後漢時代に完成し、唐時代から宋時代にかけてさらに発展した。朝鮮半島産のものは高麗青磁としてもてはやされた。古来、日本人は青磁を好んだため、招来された名品は数多い。日本で青磁の生産が始まったのは伊万里においてである。