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こんにちは。絵門ゆう子です。
10月26日に行われた、初台のオペラシティー、近江楽堂での『クラリネッテン・カメラーデン』のコンサートにお越しくださいました皆様、ほんとうにありがとうございました。
最高に素敵なコンサートでした。クラカメの演奏はほんとうに素晴らしく、私は出演者としてより観客の一人として音楽の世界に浸ってしまいました。
できたてのホヤホヤの『うさぎのユック』のお話も皆様に熱心に暖かく聴いていただけ、小児病棟で少女に出会った時から暖めてきたお話をなんとか作り出し、最高の形で皆様にお届けすることができました。
私の頭の中にあったまだ漠然としていたストーリー、それが、クラカメの皆さんが今回のコンサートに向けて練習されている時の演奏を聴いてどんどんまとまっていきました。そして出来上がった物語がと選曲の流れにも見事に合致、曲を入れ替えたり、演奏順を変えたりすることを一切せず、自然に出来たお話が自然に曲の流れに合ってしまいました。私にとっても不思議、クラカメの皆さんにとっても不思議、「お互いに待っていたようだったね」と後で話しました。
朗読が癒しのあるロマンチックなものとしてもっと多くの皆様に親しまれるものとなるよう願いをこめて浪漫朗読とネーミング、それは私の中では、素敵な演奏家が奏でる音楽と一体となったコラボレーションで作り上げられるものになっていきました。
オーボエ、イングリッシュホルン奏者の加古ふみこさんとともに作り上げたエム
ナマエ作『ナクーラ伝説の森』が最初の作品(レストラン ルッコラにて)。そして、ユーフォニアムの石橋美奈子さんにも加わっていただき、加古さんと石橋さんの『アンサンブルアレーズ』とのコラボレーションで、絵門ゆう子作『ふうちゃんの秘密の引き出し』(池上
実相寺にて)が出来上がりました。
そして今回、絵門ゆう子作『うさぎのユック』(オペラシティー・近江楽堂)。
今回は、もともと予定されていた『クラリネッテン・カメラーデン』の皆さんのコンサートに何か朗読を…ということでお話をいただいたわけですが、「今まだ頭の中で考えている段階なんですが、新しい物語を作ってみて合わせてみたいという思いがあるんですがどうでしょう…」という私の申し出を気持ち良く受けてくださったことから始まりました。私としては、せっかく出来上がっている音楽の素敵な世界を私の書くもので乱してしまうのではないか…という不安を抱えながら始めた作業でした。それが、こんなにお互いが喜び合える楽しいものになったなんて…そういう場を与えてくださったクラカメの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。
音楽という栄養を与えられて、私の中に住み始めた主人公のうさぎのユックが生き生きと動きはじめました。そして、四匹の兄弟たちを呼び寄せ、その兄弟たちがいろいろなことをしゃべり出しました。そうしているうちに、なんだかとても元気になるお話が出来上がっていったのです。音楽という芸術の持つパワーのすごさを、私は自分の作品を自分の実力以上のものにさせてもらえた今回のことで改めて感じています。
朗読だけでは伝えきれない、音楽だけでも伝えきれない、その両方が合わさって伝えられる何かをメッセージできたのではないかと思います。
私のこの『浪漫朗読コンサート』、どうも自然と今後の私の活動の主軸になっていきそうな気配です。
先週は、四谷第六小学校の体育館でも『ふうちゃんの秘密の引き出し』を子どもたちの前で『アンサンブル アレーズ』のお二人の演奏とともに朗読させてもらいました。子どもたちが様々な受け止め方をしてくれまして、私は今後の創作意欲を刺激され、大きな力をいただきました。それになんといっても、子どもたちに「命の教育を」と熱心に指導に取り組んでいらっしゃる先生方の素敵さに私は感動して帰ってまいりました。小学校の先生っていいですね(実は私、子どもの頃小学校の先生になるのが夢だったんです)。
『浪漫朗読コンサート』活動がこれから生み出す暖かくて楽しい人と人とのつながりの和が、なんだかとても期待できるものになりそうだと予感しています。それもこれも、私ががんであり、再発の心配をする必要もないほど全身に転移しているにもかかわらず、とりあえずこんなにも元気でがんとともに生活できているからできることだと、感謝です。
11月16日(日)には、祖母(ばあば)の故郷である静岡県掛川市にある生涯学習センター大ホールで、絵門ゆう子・浪漫朗読コンサート『ふうちゃん』〜今を生きる掛川のばあばからエネルギーをもらって〜
を急遽行うことになりました。ここでも、また新たな音楽と朗読のコラボレーションを楽しんでいただこうと、今作品作りに取り組んでいます。
がんなのに、がんであることを忘れている私を見て、がんでも元気な気持ちになれ元気な気持ちでがんと共生してしまう人がどんどん増えてくれたらいいな、というのが私の願いです。
朝日新聞東京版、『絵門ゆう子のがんとゆっくり日記』も、11月5日(水)から毎週水曜日連載になります。『がんと一緒にゆっくりと』(新潮社)を読んでいただいた上、この連載を読んでいただけると、がんと共生してきている私のここ数年の体調、心境の変化などをわかっていただけ、きっと面白いと思います。ぜひまたお読みいただき、感想などいただけますように!
11月2日は、聖路加看護大学の文化祭である白楊祭で、大学の講堂において14時から講演をします。私の命を助けてくれた病院の大学で講演させていただける自分が今いることが夢のようです。精一杯、私だからこそ伝えられることを話させていただきたいと思っています。
11月14日は、大手町の経団連ホールで『癒しと安らぎの環境フォーラム』があり、そこで14時半から日野原重明先生(聖路加国際病院理事長)と岩崎 榮先生(日本医科大学常務理事)とともに対談させていただきます。
「『がんとゆっくり日記』の連載を始めるというのに、ちっともゆっくりになっていない…」という会話を、私に連載の場を用意してくださった朝日新聞の記者である上野創さん(『がんと向き合って』(晶文社)の著者)
とさきほど交わしたところです。その通り。ゆっくりではない。でも…にっこりではいられている。ゆっくりが足りない時はにっこりで補い、にっこりが足りない時はゆっくりで補い…そんな感じでいいかな、と思っています。
ということでホームページに久々に近況報告させていただきました。
当分は、『ふうちゃん・今に生きる』(掛川の浪漫朗読コンサートで、後編に朗読する原稿)の最終の詰めと、朝日新聞の連載に集中します。
みなさんからのメールは、必ず読んでいますが、そんなわけでなかなか返信できないかもしれませんが、12月になったら少し時間ができそうなので、それまでは待ってくださいね!
食欲の秋、読書の秋、我が家の庭のレモンとみかんは今年たくさん実をつけています。いいこといっぱいある秋にしましょう。ゆっくりとにっこりと。
2003年10月29日 絵門ゆう子
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