『がんの時代を生き抜く10の戦術』  三省堂

   1,575円

絵門ゆう子・竜 崇正・嵯峨ア泰子・吉田和彦・向井博文・埴岡(はにおか)健一 著
本書は、納得して自分の医療を選ぶための10のキーワードを設定。がんの治療を選ぶための重要な知識のみならず、悩みを解決するための情報や闘病のコツ、サポート情報などを収録しています。

●あとがきに代えて  〜絵門ゆう子さんへの追悼〜  (本書より引用)

 本書では、3人の乳がんの患者さんにご参加いただき、ご本人の闘病体験を通した、忌憚のない貴重なお話しを聞かせていただきました。

 皆様もよくご存じの絵門ゆう子さんとは、2005年秋ごろから本企画のご相談をさせていただきました。是非、多くのがんの患者さんのお役に立てる前向きな情報を入れた、力強い本をつくりたいわね、とおっしゃってくださり、どういう内容の座談会にするか打ち合わせを続けておりました。

 年末には、ひどいお風邪をひかれたこともあり、肝臓の具合も決してよくはありませんでしたが、お仕事場でもあった日本橋の居心地のよい明るいお部屋で、ソファーに横になったり起きたりしながら、2月3日(金)には10章の、そして3月1日(水)には1章の座談会をさせていただきました。今思い返せば、最後の座談会は亡くなる 1カ月前のことになります。

 体調も万全ではなかったと思いますが、話は盛り上がり、笑い声をあげながら闊達な会話が続き、両方の座談会とも、2時間の予定をはるかにオーバーし、それぞれ4 時間に及びました。本書では、ページ数の関係もあり、全部を掲載できなかったことが残念です。

 10章の、乳がんが再発されている患者さんたちとの座談会では、それぞれの治療とのシビアな格闘を話しながらも、ユーモアに満ち、常にしっかりと前を向き主体的な生活を送ろうとする点で3人は意気投合。最後は、互いにがんばりましょうと熱く握手をして再会を約束してのお開きとなりました。

 皆で本の完成を喜び合えるものとばかり思っておりましたが、絵門さんは4月3日急な容態の変化で聖路加国際病院に入り、残念ながらそのまま永眠されました。

 その後、パートナーの方とご相談もさせていただきましたが、常に前向きであった絵門さんが出したかった本でもあり、そのままのタイトルで出してください、とのありがたいお言葉をいただき、ここに、刊行させていただくことになりました。絵門さんが最期まで願っていらした、患者自身が生き抜くための智恵、実体験をふまえた提案などを読み取っていただければと思います。

2006年6月   編集部より

ホームへ